エタップ・デュ・ツール2019の話

皆さんこんばんは!MIHO氏です。

今日はエタップ・デュ・ツールの話をします。

まず。

わたしのSNSを見てくれている人ならばもうご存知かと思いますが、

結論から言うと完走できませんでした。

理由はいろいろあります。

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フランスに来てからというもの

時差ボケや食の違い、移動の多さで体調管理が難しかったこと

自転車には乗れたものの、交通法や交通量が分からず集中して乗り込めなかったこと

足切り時間は一定であるのに最後尾スタートとなってしまったこと

 

しかし1番の要因は、わたしの実力不足でしょう。

 

 

緊張のスタート前

当日の朝は5時に起き、7時に会場入り。

アルベールヴィルという町からスタートします。

参加人数は16,000人。

7時代からウェーブスタートとなっており、

MIHO氏は最後尾からのスタートとなってしまいました。

 

8時45分。

いよいよスタートです。

会場は大音量のBGMが響き渡り、

MCが声を張り上げて盛り上げます。

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いよいよスタート、最初の一級山岳へ

まず最初は20キロくらい、平坦と登りをダラダラと繰り返していきます。

『自分のペースを乱さないように』と意識しつつも、

最後尾スタートなのであまりゆっくりもしていられません。

すぐ後ろに最後尾車が着いてきてるんですから・・・

その車に抜かされると、早々に足切りとなってしまいます。

なので、周りのペースに合わせつつあまり遅れないように進んでいきます。

 

20キロを過ぎ、ボーフォールという町から登りが始まります。

登りの手前に補給所がありましたが、

まだ体力があるうちに先に進んでおきたくて

この補給所は寄り道せずにパス。

距離は約20km。平均勾配6%。

最初は13.8%、次に11.2%と

急な坂が続き、その後もひたすら登っていきます。

もともとあまり登りが好きではないMIHO氏ですが、

エタップに参戦すると決まってからは

積極的に登りの練習を積んできました。

 

6月に入り、梅雨の影響もありなかなか外に走りに行けなかった時も

wahooのスマートトレーナー『KICKR』と

Zwiftを使って調子を落とさないようにしていました。

 

当日も、最初の1級山岳から最後までの登り方を決めていました。

具体的に言うと、

心拍数は150〜160の間でキープ

足を使わないように最初から軽いギアで回し、

踏むようなダンシングは避ける。

こまめなギアチェンジを心がける。

カーブではアウト側のコーナーを使い

なるべく急な勾配の変化を避けたコースどりを意識する。

水分・栄養補給を忘れない。

この登り方で、

ぐんぐんと他の参加者を抜かしていけたし

淡々と登り続けられました。

あとは、自分と同じペースの人を見つけられたのも大きかったですね。

わたしの場合、ひたすらこの写真の右端のお姉さん

(勝手にスペシャ姉さんと呼んでいた。バイクもウェアもスペシャだったから。笑)

に着いて行きました。

ペースが一緒だったし、あの・・・すごく・・・体型が好みだったしいい匂いがしたので・・・(おっさん)

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登りはじめて12km。3分の2を消化し、残り3分の1となった頃に現れるのが、この湖。

ロズラン湖です。綺麗な山々に囲まれたなんとも美しい湖を眺めながら走ることで、疲れが少し回復。

本当は止まって写真を撮りたかったけど、

1度止まってしまうとゆっくり休憩してしまいそうだったので

写真だけ撮ってスルー。

そしてまた、ただただひたすら登っていると

なにやら水が出ている蛇口?みたいなところが。

持ってきたボトルは2本。

1本は水、1本はBCAA。

どちらも残り少しだったので、自転車を止めて水分補給。

『水道水は飲むな』と言われたことを思い出しましたが・・・

たぶん、湧き水なので大丈夫。たぶん。笑

ひとくち飲んでみると、めちゃくちゃ冷たくてすごく美味しい。

ボトル満タンに補充し、いざ再出発。

まだまだ登るよ〜延々登るよ〜。

標高が高すぎて、森林限界線を突破。

生えているのは、草花と低い木のみ。

ザ・アルプスって感じです。

これハイジの山やん!!!と思いつつ

ひたすらペダルを回し

ようやく第一の峠を制覇。

ツール・ド・フランスでもお馴染み、アルプス山脈にある一級山岳『ロズラン峠』です。

標高1967m。

かなり綺麗な山ですが、想像以上にきつかった・・・

20キロ、平均勾配6%の登りは伊達じゃないです・・・

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初めての補給所、初めての超絶ダウンヒル

さて、もうヘトヘトなので

頂上付近に用意されている補給所に寄ります。

MIHO氏にとってはエタップ初補給所です。

文字も読めず、言葉も分からないので

とりあえず人が多い方に行ってみます。

バナナ、ナッツやクラッカー、パウンドケーキ的なものがあり、飲み物はコーラ。

ボトルに水を補給したかったので、水を探したのですが、どこにもない。

でも空のボトルはたくさんある。

どうやら、もう終了してしまったようです。

そりゃそうだよなー。16,000人いるなかの最後尾スタートだからなー

と諦めて、ボトルにコーラを入れました。

そして、やはりツイッターやインスタグラム用に写真も撮りたいので

撮影タイム開始。

そして、脚にダメージを感じたので少しマッサージ。

結局、休憩と撮影を入れて20分くらい居てしまい、

慌てて再スタート。

この後は20キロの下りに入ります。

いや、20キロ登らせたあとは20キロ下らせるんかい。

だったら最初っから登らせんなや!!と

ぶつけようのない理不尽な怒りを抱きつつ、

用意していたウィンドブレーカーを着て下り開始。

さすがに標高2000m地点は寒かったです。笑

 

 

ここの部分。

20キロの下りというのは経験したことがなかった。

予想以上にしんどい。

ロズラン峠のてっぺん、標高1968mから

標高812mのところにあるブール=サン=モーリスという町まで、

一気に降りていく。

気温が一気に上昇していくのを肌で感じます。

 

更に、ひとつ分かったことがあります。

『わたしは下りが下手だ。』

登りではガンガン抜かしていけたのに

下りでは逆に、ひたすら抜かされていく。

下りでわたしが抜かせる人など1人もいない。

ただとにかく、何十人と抜かされていく。

悔しいけれど、焦って下って落車しても仕方ないので

自分のペースで下りました。

左手に町が見えてきました。

もうMIHO氏の上半身はバキバキです。

 

下りの先の補給所、そして二級山岳へ

ようやく下りきった先には60キロ地点の補給所が。

下界はとにかく暑くて、

ウィンドブレーカーを脱ぎたかったので補給所に寄りました。

ここでは果物と、自分でパンにハム・チーズを挟んでサンドイッチにして食べました。

あと、これは初めて食べたのですが

アプリコットがすごく美味しかった(笑)

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次は二つ目の峠。

約7km程度ですが、平均勾配は6.8%。

しんどい登りが続きます。

実はMIHO氏、この登りを侮っていました。

先ほどの20kmの登りに比べ、7kmだったら余裕やんけ!

と調子に乗っていたのです。

しかし、最初の1級山岳で予想以上にダメージを負っていた上に

7.9、6.9、7、9.1、7.4・・・・

とキツい斜度が延々と続くので

なかなかスピードアップしていけませんでした。

しかし、ここで真価を発揮する我が愛車・LOOK785。

HUEZという名の通り、スーパー山岳マシンの愛車は

軽い車体と柔らかいフレームで、わたしの足へのダメージを最低限にしてくれていました。

この登りでも結構な人数を追い抜いていくことができましたが

12時を過ぎ、朝には感じなかった暑さが体力を奪っていきました。

 

暑さと疲れと制限時間との戦い

今思い出しても動悸がするくらい、限界ギリギリで走っていたと思います。

途中で、湧き水が出ている蛇口を発見。

急いで駆け寄り、ボトルに水を汲んで脚にぶっかける。

全身が火照っているので、次は体にぶっかける。

心臓がキュッとなって、リフレッシュできた。

再び走りだすと、濡れたウェアもシューズも

水分はすぐに蒸発して乾いた。

 

 

そして80km地点。

ロンジュフォワという小さな町に入りました。

2級山岳 制覇間近ですが、暑さでダウン寸前。

両膝が熱を持っていて、上手くペダルを回せなくなっていました。

ちょうど目の前に、湧き水が出てくる水道を発見。

たくさんの参加者が集まっていました。

 

ボトルに水を汲み、また両脚へ。

すぐに乾いてしまうのは分かっていたけど、

やらずにはいられなかった。

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85キロ地点。

ようやく2つ目の峠、2級山岳を制覇。

距離的にはあと50キロだけど、

獲得標高はやっと半分。

そしてここからはまた鬼の下りが始まります。

標高1,311m地点のこの場所から、

下の方に見える町『ムティエ』まで

約15mキロ下っていきます。

先ほど書きましたが、今回のエタップではわたしの下りの下手さが如実に出てしまいました。

急降下・急カーブの多い下りでは、

必要以上にブレーキを握って減速してしまい

スピードもさることながら、手のひらと肩にものすごいダメージを負っていました。

そのうち、ブレーキを握る手が少しずつ震えてきて

思い通りに力が入らなくなってきました。

少し下っては手を休め、

少し下っては肩を回し・・・

と、休憩を入れながら下らないと無理な状況に。

下りでスピードアップするはずが、

かなりの時間をかけてしまいました。

気温は更に上昇し、日陰で休んでいる人も多くなってきました。

 

わたしも休みたい・・・という気持ちを抑え、

とりあえず100キロ地点の補給所まで頑張ろう、とギリギリの状態で走っていきます。

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自分との戦い

ムティエの補給所には、もう水も炭酸水もありませんでした。

ぬるいコーラのみが残っている状態。

仕方ないのでボトルにコーラを入れます。

 

じゃがいもはいっぱいありました。

ナッツやドライフルーツ、パウンドケーキなどもありましたが、食べる気になれず・・・確認しなかったけど、左の白いのは何だったんだろう。角砂糖???

とりあえずじゃがいもとアプリコットを大量に食べて、

持参したジェルを飲み込む。

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MIHO氏の両脚も、既に限界。

膝は痛いし、足の裏は攣り続けているし、腿〜付け根に至っては何だかよく分からない感覚。

今まで感じたことのない得体の知れない痛みが居座り続けていました。

更に、スタートからここまでひたすら孤独との戦い。

キツい登りも、しんどい下りも

一緒に走る仲間がいたら、気持ち的にもっと余裕が持てていたかもしれない。

『頑張って』『頑張ろうよ』

励ましたり、励まされたりしながら頑張れたかもしれない。

知らない土地、知らない言葉、知らない人達。

どんな状況も、ひたすらひとりで耐えてきた。

ここまでで100km、獲得標高2500m。

最後にそびえ立つのは、超級山岳。

この状況で、残り約34km、2,000mを登らなければならない。

これは無理だな。完走できないな。

脚がもう走れないって言ってる。

このあたりが限界だな。リタイアしよう。

そういう考えが一瞬思い浮かびました。

でもそれはほんの一瞬で、『やっぱり登ろう』に変わりました。

わたし一人で走ってるんじゃない。

エタップ・デュ・ツールを走ってこい、経験してこい、と背中を押して渡航費を含め諸々の準備をしていただいたり

『絶対に完走させたい』と愛車を105仕様からDi2フルDURA-ACEにグレードアップしていただいたり

『エタップ完走のために』と様々な機材をご用意いただいたり

いろんな方々からのサポートを受けて、

わたしはこの地を走っているし、

なにより直接ではないけれど、SNSで応援してくれてる人が本当にたくさんいる。たくさんのコメントに励まされてここまで来たのなら、

わたし一人の判断でリタイアすることは絶対にできない。

と強く思い、最後の超級山岳に挑むことを決意。

自転車にまたがり、千切れそうな脚を回すこと数キロ・・・

 

 

ついにタイムアップ。

先に進むことはできず、下りて回収専用のバスに乗れとの指示。

上からも続々とライダー達が強制下山させられ、降りてきていました。

MIHO氏もここで、山を降りることとなってしまいました。

 

無念のタイムアップ

エタップ・デュ・ツールへの挑戦は失敗。

頑張ったんだけどな。完走したかったな。

悔しいし、申し訳ないしで

自然と涙が出てきました。

支援してくれたり、応援してくれた人達のお金や気持ちを無駄にしてしまった。わたしは最低だ。そう思いました。

でも、ひとしきり泣いた後はすっきりしました。

なぜなら

『エタップに挑戦する』と決めてからここまでを思い出すと、

全ての経験が今後に生きていく、と確信したからです。

というより、生かしていかなければならない、と決心しました。

今回のことを、自分の中で『悔しいけど楽しかった事』で終わらせてはいけない。

すべてを取り込み、大切に持っておいて、磨きながらいつか自分や周りのために使えるようになりたいと、そう思いました。

支援も応援も、絶対に無駄にはさせない。

サポートしてよかった。応援してよかった。そう思ってもらえるように。

そして、いつかまたチャンスがあったら

次こそ絶対に、絶対に

完走したいです。

応援、本当にありがとうございました。

 

そして、このブログを最後まで読んでいただいたことにも感謝します。

自分のYouTube用に撮った動画の中から

静止画として取り込んだ画像を使用しての、少し見づらいブログになってしまったことをお詫びします。

近々、MIHO氏TV!にて動画もUPされる予定ですので

どうぞ楽しみにお待ちいただければと思います!

 

最後にもう一回だけ言わせてください。

本当にありがとう!!!

 

 

 

エタップ・デュ・ツール2019結果

時間:6時間30分

距離:107km

獲得標高:3,012m

タイムアップによりDNF

協力

 

 

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