ひとり旅日誌「旅人から仕事人へ。冷静と情熱のあいだの山中湖」

最近はかなり日が短くなってきた。

わたしなんかは夜型の生活をしているので、起きるのはお昼の12時頃。そうすると、起床から5時間もすれば外が暗くなってしまう。

・・・早寝早起き、頑張ってみようかな。

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さて、先日までわたしは静岡〜山梨あたりを旅して回っていた。目的や目的地は特に決めなかったけれど、1週間の旅のうち、2件だけ決まっていたことがある。それは

①とある自転車の撮影

②ふもとっぱらキャンプ場でキャンプする

この2件。今回のブログでは、撮影の方を紹介したいと思う。

まず、そもそもわたしがなぜ今回、静岡~山梨に来たかというと。この「とある撮影」が山梨の富士山エリアで行われることが決まっており、それならば早めに前入りし、下見を兼ねて観光でもするかと思い立ったのだった。(4日くらいの予定でいたものの結局、丸々1週間も滞在してしまった)

 

撮影の前日。

すでに数日前に富士山エリアに入っていたわたしは、それまではキャンピングカーで寝泊まりしていたが、さすがに撮影の前日はゆっくり温泉にでも浸かり、広いベッドで眠って疲れを取っておこう、と思い、撮影場所からほど近い【山梨県富士吉田市のホテルを押さえていたので、チェックインの時間に合わせてホテルに向かった。

わたしが予約をしたホテルの部屋には2種類あり、

・富士山が見える側

・富士山が見えない側

だ。実に分かりやすく、シンプルだ。

 

時に、皆さんはホテルや宿を押さえる時、どのような基準で部屋を選ぶだろうか。個人的に、選び方には二通りあると思っていて、

①寝られればOK

②非日常感を味わいたい

この二つかなと思っている。

わたしは結構、出張や遠征など仕事をする上でホテルや宿を利用することが多いが、出張先の宿でも②の非日常感を味わいたくて部屋を選ぶことが多い。夜景がきれいだったり、海が見えたり、部屋が広かったり。そういったホテルや宿を選びがちである。

ということで、このホテルの部屋も「富士山が見える側」を選んだ。部屋に入った瞬間、これはいい、と思ったが、思いのほか日当たりキツく、結果カーテンを閉めなければならなくなったので複雑な感じである。

 

夕方に差し掛かると強かった日差しも弱まり、カーテンを開け窓際で動画の編集作業を始めた。目の前には富士山、きれいで広いお部屋。飲むヨーグルトをすすりながら、良い作業環境だなとは思ったけれど、すぐ隣にある人気の遊園地「富士急ハイランド」から、ジェットコースターが滑走する轟音とけたたましい絶叫が定期的に聞こえてきて、その度に気になって窓の外を見やってしまう。作業は全く進まなかった。にぎやかなエリアだった。

 

一向に進まない作業は切り上げて、タスクを一つこなすこととする。そのタスクとは、【洗濯】である。車中泊旅をしていると、洗濯するタイミングをしっかり掴んでいくのも重要な任務となる。ホテルに宿泊する場合は、ランドリー設備があるかどうかを確認した上で予約するのも大事だ。

ということで、エレベーターに乗り一階のコインランドリーへと向かう。

小銭がなかったので、ランドリー部屋の中にある自動販売機で千円札を崩すことに。水でも買おうと思ったら、右下に酒コーナーがあるではないか。プレモル、金麦、角杯、ストロングゼロ(レモン)の4種類か。少し迷って、プレモルを購入した。予定より少し早い晩酌スタートとなったが、無事に小銭も入手でき、洗濯機が回っているのを眺めながらぷしゅっと。明日の撮影で着る予定のサイクルジャージも、しっかりと綺麗になった。

 

部屋に戻り富士山を眺めながら晩酌の続きといきたかったが、外はもう真っ暗になっており、富士山のふの字も見えなくなっていた。目の前にあるパチンコ屋が煌々と輝いているのを横目に、コンビニで買ってきたおつまみを食べ進めた。

明日の朝は5時起きか・・・。

かなり久しぶりの早起きに戦々恐々としつつ、24時過ぎにベッドに入った。

MYSTAYS.com

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朝。5時起き峠はしっかりと乗り越え、お化粧もバッチリして、7時には集合場所に到着した。ちなみにこの時間、山中湖沿いはめちゃくちゃ寒かった。10℃を下回っていたように思う。こちらのエリアがこんなに寒いと思っていなかったので、家からは薄めの上着しか持ってきておらず、なんとか体温を上げようと小刻みに地団駄を踏んでいたら、スタッフさんがアディダスのベンチコートを貸してくれた。神。

 

山中湖から少しあがり、山中湖パノラマ台へ。ここは有名な絶景スポットだが、この日も平日にも関わらず駐車場は常に満車状態であった。紅葉も始まっており、辺りはススキで囲まれ、まさに秋らしい景色を眺めることができた。

 

朝7時からスタートした撮影はなかなか濃密で、わたし自身も集中していたため空腹は感じなかったが、やっとのことでお昼ごはんにありつけたのは15時近く。

休憩場所となった道の駅すばしりからは大きな富士山が眺められたはずだが、この頃の空は厚い雲で覆われてしまっていて、見ることは出来なかった。その代わりに可愛いネコがいたのでちょっと遊んだ。

撮影が終了し解散となったのは、18時を回ってからであった。

さて、ここからが迷いどころ。

次の日に「ふもとっぱらキャンプ場」を予約していたため、時間は遅いが近くまで今から向かってしまうか。山中湖周辺からふもとっぱらがある朝霧高原まで、1時間近く運転することになる。

それとも、この辺りで車中泊して明日の朝に向かうか。

わたしは迷いに迷った。

朝は5時に起きていて眠いし、疲れもあったため、今日はこの辺りで早く寝て翌日の朝に向かうことにした。冷え切った体を温めたくて、車で5分ほどのところにある日帰り温泉「赤富士の湯」に向かったが・・・

なんとまさかの定休日であった。

他の温泉を探してもいいのだけれど・・・

「朝霧高原まで行っちゃーか!」

気合いを入れてキャンピングカーのハンドルを握り直す。

山中湖から朝霧高原までは、峠道の連続であった。集中して運転していたため、逆に眠気などは吹っ飛んでいた。街灯もなく真っ暗な道を、クネクネとカーブを繰り返すこと1時間。ようやく朝霧高原に到着した。

とにかくお風呂、お風呂に入りたい・・・

 

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Google マップ より

まずすぐに向かったのは、朝霧高原にある「あさぎり温泉 風の湯」。富士山の深層水であるバナジウム水を使ったという温泉で、地元住民から観光客まで幅広く愛される温泉である。22時まで営業しているのも有り難かった。

株式会社 ニッタク

静岡県富士宮市の日帰り温泉、「風の湯」では富士山バナジウム水を使用した温泉となっております。皮膚の老化予防に、美容と健康…

受付をしたのは20時頃で、入浴客はほぼ居なかった。内風呂に浸かっていると、スタッフのおばちゃんお姉さんが入ってきて、入り口にあるシャンプーセットを指差し「これはあなたの?」と聞いてきた。「違います」と答えると、「最近、忘れ物が多いのよ。本当にみんな忘れてくの。これはロッカーのところに置いておくかね」と言う。続けて「露天風呂には入った?」と聞いてきたので、「入ってません」と答えた。「早く入りに行きなさい、うちの露天風呂は炭酸泉だから、気持ちいいよ」と言ってくれた。

どれどれ、と扉から外に出て露天風呂まで歩いていくと、先客がいた。こっちにお客さんが居たのか、と思った。確かに、内風呂から露天風呂は見えない作りになっていた。

わたしは意を決して「あの、入り口のところにシャンプー置いてましたか?」と聞いた。若いお姉さんが驚いたようにこちらを見た。目が合う。わたしはコミュ障なので、この時点でもう心臓がバクバクしていたが、若いお姉さんはニコッと笑って「はい、置いてました」と言う。「おばちゃんが忘れ物だと思ったみたいで、ロッカーの方に置いとくって言ってました」と伝えた。

このお姉さんは気さくな方のようで、そうですか、と笑った後、「あの、この辺の方ではないですよね?どこから来たんですか?」と聞いてきた。わたしは「あ、はい、栃木から来ました」と言うと、「ああ、やっぱり。話し方が、そうかなって。」と、笑顔で言われた。「マジすか、わたし、なまってましたか?めっちゃ恥ずかしいっす」とオタク特有の捲し立てるような早口で返す。

それから、少し話をした。

お姉さんはこの辺りに住んでいること、わたしがキャンピングカーであちこち旅して回っていること。最後にお姉さんは、「静岡に来てくれて嬉しいです。楽しんでいってくださいね。」と言って、露天風呂を出ていった。

その後わたしも温泉を出たらさっきのおばちゃんと会い、シャンプーの持ち主が見つかったことも伝えた。おばちゃんは笑顔でウォーターサーバーを指さして、「帰りにそこの水、飲んでいきなよ」と言った。

靴を履いて外に出ると、もうすでに21時を回っていた。白い息がほあっと広がった。ああ、山中湖から頑張って朝霧高原に来て良かったな、と思った。わたしは、朝霧高原が大好きになった。

その夜は車中泊であったが、バナジウム水の温泉に浸かったおかげか、朝まで全身がぽかぽかしていた。

 

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